筋膜をほぐすために行うケアが筋膜はがし
筋膜はコラーゲンとエラスチンという2つのタンパク質でできた薄い膜で、筋肉をはじめとして内臓・骨・血管・神経など、様々な組織を包んでいます。
そしてコラーゲンとエラスチンの隙間は粘性のある細胞間基質という液体で満たされています。
その為、筋肉を動かすと筋膜はその動きに合わせて伸び縮みしますが、運動不足や長時間の同じ姿勢などを継続すると筋肉の動きが少なくなって、細胞間基質の水分が失われます。
そうなると本来スムーズに動くはずの筋膜同士が癒着して、筋膜の滑走性が失われてしまいます。
その癒着した状態が長期間継続すると、筋肉の動きが阻害されて血行不良になり、コリや痛みを引き起こしてしまうのです。
今まで筋膜はそれほど重要なものだと医学的に考えられていなかったのですが、研究が進むことで先に触れたように、コリによる痛みの発生源が筋膜の癒着にあると分かってきたのです。
そこで、この癒着した状態の筋膜を剥がすことにより、コリや痛みを解消するために行われるのが筋膜リリースというものです。
筋膜はがしの効果とは
では具体的に筋膜リリースを行うことで、どのような効果が期待できるのかというと、先にも触れましたがコリの解消があります。
癒着した筋膜を解放することにより、筋膜に滑走性を取り戻させるため、筋肉がスムーズに動くようになってコリが解消されやすくなるのです。
筋膜は全身に張り巡らされているので、腰の筋膜は胃や肝臓などを覆っている腹膜とつながっていて、腰痛の治療をすると共に便秘が解消されることがあります。
その為、どこかの筋膜の癒着が剥がれると、腸の蠕動運動がスムーズになって、便秘が解消されるなど内臓機能も向上するのです。
肩こり改善
またコリが解消されると圧迫されていた血管やリンパ節が解放されて、体内の血液やリンパの巡りが良くなり、それにより冷え性の改善になります。
それから、コリや痛みは小さくても継続すると体にとって大きなストレスとなり、自律神経の乱れにつながります。
しかし、こりが解消すると自律神経のバランスも整いやすくなりますし、自律神経が整うとエネルギー代謝も正常に機能するようになります。
それから、コリや痛みがあると頭痛を伴うこともあって、これは後頭部の下部にある頭板状筋・首筋の斜角筋・こめかみの側頭筋のコリで引き起こされます。
ですから、これらの場所の筋膜の癒着を剥がすことでコリが解消されると頭痛を解消しやすくなるのです。
定期的な運動も効果的
筋膜リリースは筋膜同士の癒着を剥がして滑走性を取り戻すためのケア方法のひとつで、基本的には筋トレや運動で筋肉を動かす行動をすれば癒着を剥がすことはできます。
ただ、より簡単に短い時間でできる方法がいろいろと紹介されているので参考にして行うと良いです。
その時に気を付けたいことは習慣として生活の中に取り入れることで、これは虫歯の予防のために毎日歯磨きするのと同じです。
怠るとコリや痛みを引き起こしやすくなるので、自分の生活スタイルに合わせて毎日の習慣にすることが大事です。